2010年1月23日土曜日

札友内宮殿

今朝のにどむは極寒☆
昨夜、お風呂に行こうとドアを開けると、取っ手に触れただけで電気が流れたように感じるほど痛かった。ものすごく冷えていたからだ。鼻毛も凍った。

朝、ワクワクしながら最低気温を確認すると、-25℃。
な~んだ、こんなものか…とちょっぴりガッカリしたけれど、低温状態が長く続いたから、外の景色は息をのむほど美しかった。
ばんざい!

それでも、家の中は暖かい。
ワラの壁の厚みは50センチ。壁を隔てた中と外の気温差は、50℃近く。つくづく、ワラの家のありがたみを実感する。
私たちが北の大地にやってきて、今年で15年目。

最初に住んだ家は、それはそれは寒かった。

今のように、「移住促進」という言葉も無かった時代だから、空き家を見つけるのも一苦労。家を貸して頂けただけでありがたいのだから、その家がぼろかろうが、寒かろうが、文句はない。どうしても釧路川のあるこの町に住みたいという私たちのために、役場の方があちこち駆けずり回って交渉して、探してくださった家だった。
当時は当たり前のようにその家に暮らしていたけれど、今思えばすごい家だったなぁ!

まず、初めて家に入った時…
何だかヘンな匂いがした。生まれてから一度も嗅いだことのない匂いだった。
「ああ、これはネズミのフンの匂いだな。きっとネズミがいっぱいいるんだよ」
とガッテンが言うので、ああ~そういうものかと納得。
部屋の中には小さな黒いものがあちこちにびっしりあり、それは全部ネズミのフンだった。

お借りした家は、屋根裏を含めて8部屋もある、大きな平屋建ての一軒家。
1年くらい空き家になっていたということだけど、部屋の壁に下がったカレンダーは4年も前のものだったので、空き家歴詐称ではないかと思っている。そして家の中には、大家さんの荷物が埃をかぶったまま、どっさりと残っていて、何よりすごいのは、ほとんどの部屋の床が落ちていたことだ。

「床が落ちる」
というのは、見たことが無いと想像がつかないかもしれない。
長く人が住んでいない家はどんどん腐敗が進み、土台や根太といった家を支えている大事な木材が弱っていく。そうしてある時どさりと落ちる。もちろん、その上に乗っている床もどさり。

北側にある3部屋は、ぎっしりと詰まった荷物もろとも崩壊していたので、私たちはそこは見なかったこと・初めから無かったこと・にして、開かずの部屋として封鎖した。
屋根裏部屋も、ネズミのアジトになっていたので、ここも見なかったことにした。

お風呂がない、水道管が破裂している、などはいいとして、何より不便だったのはトイレが無かったこと。
トイレの代わりにあったのは、家の裏手に建つ小さな「便所小屋」。掘っ立てのナナメの柱に、どうでもいい感じに壁と屋根が張ってあり、大きく掘られた穴に、腐りかけた2枚の板が申し訳程度に渡してある。その板の上にそろりそろりと足を置いて、用を足すのだった。

ただ、この便所には重大な欠陥があった。
屋根の高さが私の目の高さと同じで、用を足し終えて立ち上がると、天井に頭をぶつけてしまうのだ。しかし天井には、屋根板を留めていると思われる釘が無数に飛び出ていて、ぶつけ方によっては流血の惨事となってしまう。
細心の注意を払いながら、一日に何度もそろりそろりとこの便所で用を足すのは、ナカナカに面倒なことだった。

そして一事が万事このように、私の19歳の日々はドタバタと過ぎていったのだ。
この愛すべきボロ家のことを、私たちは「札友内宮殿」と呼んでいる。
宮殿暮らしに負けない、創意工夫・試行錯誤の楽しい暮らしができるから。

今はもう取り壊されて、宮殿のあった場所はぽっかりと更地になっている。


凍てつく大地で、全ての水分が凍りつく。
川から湯気のように立ち上がる気あらしが、ゆっくりと流れてきた。

子ども達を保育園に送っていく車中、神秘的な風景を眺めながら、手に入れたものと失ったものについて思い巡らす朝だった。

さなえ
www.wakka.biz/nidomu/



2010年1月17日日曜日

暖冬に思う

年が明けてから、どさりどさりと大雪2回。おかげで、たっぷり真っ白のにどむの里☆

大寒を控え、このところ本格的に寒い日が続いている。
そして今年は雪も多い気がする。
そう聞くと、「暖冬だと思ったのにねぇ」と言う人も多い。
ニュースでも「暖冬が一転して大雪に見舞われ…」と言っているのをよく耳にする。

でも・・・

道東はもともと雪の少ない地方。その代わり、気温が低いのが特徴で、今年のように雪だるまを作れるような湿った雪がどさどさ降るなんて、今までではちょっと無かったこと。
暖冬が文字通り「暖かい冬」という意味であれば、やっぱり今年は暖冬なのだと思う。

しかし、いくら暖冬でも冬は冬。道東では、「厳寒冬」が「寒冬」になったくらいのもの。
最後に気温がプラスになったのはいつのことだったか…。

1001162 そんな寒さの中、ニワトリたちは思いのほか元気いっぱい!
昨年の春に、ガッテンが作った温室が、冬の「ニワトリハウス」になっているから。

この温室、基礎が古タイヤ。
タイヤを立てた状態で半分ほど埋める。たくさんのタイヤを用意して、ぐるりと温室の大きさになるほど埋めて、その上に木材で大枠を作り、拾ってきたガラス窓をはめこみ作ったもの。屋根は透明な波板トタンなので、中の気温はすこぶる高い。

タイヤを基礎にするなんて何だかへんてこな建物だけど、実はそれなりに意味がある。
冬の道東は、大地がかちこちに凍りつき、盛り上がる。そのため、普通の建物は「凍結深度」の150センチを超えて深く埋めなくてはならないのだけれど… タイヤ基礎は、大地の盛り上がりを吸収して、上の建物のゆがみを少なくしてくれる。
もちろん、これは上に建っているものが多少の歪みはOKのアバウトな温室だから成せることなのだけれど。

温室の中では夏の間、トマトやナス、ピーマンや激辛ナンバンなどがわさわさと(ジャングルのように)育っていたのだけれど、秋にそれらを引っこ抜き、ニワトリの越冬小屋へ変身!

100116 ご覧のように簡素な造りだけれど、太陽の熱とニワトリの体温のおかげで冬でも中は意外なほど暖かい。
そして小屋の中には、今の私たちがこの時期には絶対に見ることのない「茶色い土と砂」がふんだんにある。屋根があるのだから当たり前なのだけれど、何度見てもすごく新鮮!

大工仕事でたまった木くずをたっぷり敷いて、鶏のフンもたっぷりあるから、きっと春には素晴らしくいい土になっているはず。そしてきっと暖かなハウスの中だから、まだ外の大地が凍っている時期から畑の苗を育てられるのではないかと、今からワクワクしてしまうのです。

そんなわけだから、もちろん春は待ち遠しいのだけれど、まだまだ冬の楽しみもこれから!
冬の山スキー、味噌作り、夏には忙しい友人達とのおしゃべり、そしてキラキラした冬の風景も。


さて、遅ればせながら今年もどうぞよろしくお願い致します。
今年は、わっかショップを少しずつOPENしていこうと考えています。相変わらずのんびりなブログ更新も、できればもう少し頻繁に…
またお付き合い、よろしくお願いしますね。

今年もステキな一年になりますように!

さなえ
www.wakka.biz

追伸:
わっかショップ第一弾、私のデザインしたオリジナルてぬぐいが染め上がりました。もしよかったら覗いてみて下さいね☆