今朝のにどむは極寒☆
昨夜、お風呂に行こうとドアを開けると、取っ手に触れただけで電気が流れたように感じるほど痛かった。ものすごく冷えていたからだ。鼻毛も凍った。
朝、ワクワクしながら最低気温を確認すると、-25℃。
な~んだ、こんなものか…とちょっぴりガッカリしたけれど、低温状態が長く続いたから、外の景色は息をのむほど美しかった。
ばんざい!
それでも、家の中は暖かい。
ワラの壁の厚みは50センチ。壁を隔てた中と外の気温差は、50℃近く。つくづく、ワラの家のありがたみを実感する。
私たちが北の大地にやってきて、今年で15年目。
最初に住んだ家は、それはそれは寒かった。
今のように、「移住促進」という言葉も無かった時代だから、空き家を見つけるのも一苦労。家を貸して頂けただけでありがたいのだから、その家がぼろかろうが、寒かろうが、文句はない。どうしても釧路川のあるこの町に住みたいという私たちのために、役場の方があちこち駆けずり回って交渉して、探してくださった家だった。
当時は当たり前のようにその家に暮らしていたけれど、今思えばすごい家だったなぁ!
まず、初めて家に入った時…
何だかヘンな匂いがした。生まれてから一度も嗅いだことのない匂いだった。
「ああ、これはネズミのフンの匂いだな。きっとネズミがいっぱいいるんだよ」
とガッテンが言うので、ああ~そういうものかと納得。
部屋の中には小さな黒いものがあちこちにびっしりあり、それは全部ネズミのフンだった。
お借りした家は、屋根裏を含めて8部屋もある、大きな平屋建ての一軒家。
1年くらい空き家になっていたということだけど、部屋の壁に下がったカレンダーは4年も前のものだったので、空き家歴詐称ではないかと思っている。そして家の中には、大家さんの荷物が埃をかぶったまま、どっさりと残っていて、何よりすごいのは、ほとんどの部屋の床が落ちていたことだ。
「床が落ちる」
というのは、見たことが無いと想像がつかないかもしれない。
長く人が住んでいない家はどんどん腐敗が進み、土台や根太といった家を支えている大事な木材が弱っていく。そうしてある時どさりと落ちる。もちろん、その上に乗っている床もどさり。
北側にある3部屋は、ぎっしりと詰まった荷物もろとも崩壊していたので、私たちはそこは見なかったこと・初めから無かったこと・にして、開かずの部屋として封鎖した。
屋根裏部屋も、ネズミのアジトになっていたので、ここも見なかったことにした。
お風呂がない、水道管が破裂している、などはいいとして、何より不便だったのはトイレが無かったこと。
トイレの代わりにあったのは、家の裏手に建つ小さな「便所小屋」。掘っ立てのナナメの柱に、どうでもいい感じに壁と屋根が張ってあり、大きく掘られた穴に、腐りかけた2枚の板が申し訳程度に渡してある。その板の上にそろりそろりと足を置いて、用を足すのだった。
ただ、この便所には重大な欠陥があった。
屋根の高さが私の目の高さと同じで、用を足し終えて立ち上がると、天井に頭をぶつけてしまうのだ。しかし天井には、屋根板を留めていると思われる釘が無数に飛び出ていて、ぶつけ方によっては流血の惨事となってしまう。
細心の注意を払いながら、一日に何度もそろりそろりとこの便所で用を足すのは、ナカナカに面倒なことだった。
そして一事が万事このように、私の19歳の日々はドタバタと過ぎていったのだ。
この愛すべきボロ家のことを、私たちは「札友内宮殿」と呼んでいる。
宮殿暮らしに負けない、創意工夫・試行錯誤の楽しい暮らしができるから。
今はもう取り壊されて、宮殿のあった場所はぽっかりと更地になっている。
凍てつく大地で、全ての水分が凍りつく。
川から湯気のように立ち上がる気あらしが、ゆっくりと流れてきた。
子ども達を保育園に送っていく車中、神秘的な風景を眺めながら、手に入れたものと失ったものについて思い巡らす朝だった。
さなえ
www.wakka.biz/nidomu/
2010年1月23日土曜日
札友内宮殿
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