1週間前のこと。
十勝のとあるステキな森の中で、友人の結婚式が行われ、私たちも家族で行ってきた。
新郎のヤンジーは、北海道の当別町にある廃校になった小学校を拠点に「災害救援ネットワーク」の代表をされている。
災害があればいち早く駆けつけて何百人もの炊き出しを行ったり、全国を飛び回って災害救援に関する講演を行ったり、それから廃業するホテルやレストランから、不要になった一切の備品…座布団から厨房機器から食器からイスやテーブルまで…を譲り受け、それらを必要とする福祉団体や慈善団体に無償で提供する『キッチンウェアバンク』を主宰したり、なにしろ日々道内外を駆け回るパワフルな方だ。
http://www.peace2001.org/2006/main/bow/20090303_bow_01.html
そんな元気なヤンジーと、これまたステキで元気な友人のアグネスが、森の中でアイヌ式の結婚式を挙げるという。
二人はアイヌではないけれど、アイヌの友人達と関わりが深く、森の中で挙げるというのもいかにもステキで、これ以外の結婚式はちょっと思いつけないような二人にぴったりの式のように思えた。
アイヌ式結婚式は14時から、そしてその後の披露宴は16時からなのだけど、何しろ森の中で150人の参列者の料理を作ると言うのだから、私たちも早起きして朝から現地に入りお手伝いをさせて頂いた。 当日は、朝からぐんぐんと気温が上がり、6月としては記録的な猛暑となる快晴の1日。
キッチン用のテントにも、ガスと水道を完備したキッチントラックにも、容赦なく太陽の熱が降り注ぐ。
滴る汗にもめげず、男性陣は会場作り。
参列者の座る畳を敷いたり、火床を用意したり、それからトイレ作り!地面に掘った穴の周りに、シートを張り巡らし、簡易コンポストトイレとする。ちなみに、この穴は新郎自ら結婚式の数日前にユンボーで開けたもの。 女性陣は芋を茹でたり、豆を炊いたり、蕗を切ったり、鹿肉を捌いたり。今回作るのはアイヌ料理のお膳なので、いつもの料理とはちょっと違う。紙に書かれた手順に沿って下準備を進めていくのだ。
それにしても暑い。気温は36℃を越え、冷涼な道東の地に生息する我々は息切れする。暑さで倒れないよう、近くの沢で度々つかの間の涼を頂く。やっぱり水の中はいいなぁ。
そして迎えた結婚式。
アイヌ語で、結婚の儀を『ウトムヌカラ』と言うのだそうだ。
森の中に作られた大きな祭壇に、親族が集まって座る。本来は家(チセ)で執り行われるのだけれど、今日は森の中だから、運動会用の大きなテントがその代わり。
披露宴の準備と子どもの世話の合間に、ちらりと覗いただけの結婚の儀だったのだけど、そこに流れる厳かな、それでいて閉鎖的ではない空気がとてもステキだった。踊りやミコトノリ(神々への祈り)などいろいろな儀式があったのだけれど、特に印象に残ったのが、お膳に盛られたお料理を二人で頂く『飯食いの儀』。
新婦の初めての仕事が、新郎のために料理を器に盛り付けること。盛られた料理は、二人で残さず食べることが重要。なぜなら、これから先、食べることに困りませんように… そんな願いがこめられているから。
暑い中、みんなの注目を集めながら、大盛の料理を頂くのは大変かもしれないけれど、二人は無事に器のお料理を残さず食べ、めでたく夫婦となることができた。
式の後は披露宴。
この日のために仕立てられた、アイヌの民族衣装で正装した二人。
夕方になり、暑さも少しやわらぎ、和やかに森の中で宴が続いた。
お料理も無事に間に合った!
左上が蕗の煮物。新郎新婦が2日前に採ってきた150本の蕗をことこと炊いて。
その右隣りが鹿シチュー。大きなごろんとした塊のお肉が入っている。
小皿は上からラタシケップ(カボチャとジャガイモを茹でて潰し、金時豆を混ぜて甘くしたもの)、昆布シト(昆布の甘いタレにからめた団子)、鹿ソーセージに行者ニンニクのしょうゆ漬けを添えたもの。
汁物は、オハウ(鮭と野菜の塩味の汁物)、ご飯は、イナキビと小豆のアマム(ご飯)。
1日動いていただくお料理は、どれも美味しく、楽しい宴でした。
楽しかった夏の1日。ありがとう☆
ヤンジー、アグネス、これからもよろしくお願いします。
さなえ
www.wakka.biz/nidomu/
2010年7月4日日曜日
森の中の結婚式
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