2010年12月11日土曜日

伐採木のプレゼント

12月の初め、毎月配られる町からの広報誌にはさまった一枚のお知らせが目に飛び込んできた。

「伐採木(雑木)をお譲りします」

ぺらりとはさまったその紙には、現在新築中の弟子屈中学校校舎の造成に伴い、予定地に生えていた木を伐採したこと、2mほどの長さにカットされた雑木が750~800本ほどあり、それを希望者に無料で配布すること、などが簡潔に書かれていた。

薪ストーブ暮らしの我々には、願ってもない朗報。
これは絶対に行かねばならぬと、お知らせの紙は目立つところに貼り付けて、配布の予定日時を待っていたのだった。

そして、昨日。
お知らせに書かれていた、配布の日。
記載された10時の5分ほど前に、会場の中学校グラウンドに行ってみましたらば、既にたくさんの人が集まっていたわけで… 我々の後からやってきた人たちも合わせ、その数ざっと100人くらい?圧倒的に「おじさま達」が優勢だけど、女の人もちらほらと。
でも…
800本÷100人 =1人8本??

件の雑木は、すり鉢場に低くなった土砂の滞積所とおぼしき一角に山積みになっている。直径30センチはあろうかという太いものから、数センチの細いものまでさまざま。種類ももちろんさまざま。

山積みになった雑木を前に、回ってきた受付簿を記入しながら皆でわいのわいの話していると、やがて町役場の人がやってきて、説明を始めた。

「皆さん、今日はお集まり頂きありがとうございます。
実はこれほどのたくさんの方に来て頂けるとは、全く予想しておりませんでしたので、正直我々も驚いております。
ここにあります木は、中学校の工事に伴い支障となる木を伐採したもので、当初はチップ工場への売却を検討しておりましたが、売却しても運搬費用を考えると結局赤字になるということでしたので、このような形で町民の皆さんに無料でお譲りすることにしたわけです」

役場の英断にパチパチパチと心の中で拍手を送っていると、続けて説明があった。

「公平を期するために、1世帯1名とさせて頂き、くじで番号を引いていただきます。番号順に入場しまして、まずは1名5本、1名5本の木を選んで頂き、全員が終わりましたら、残った木につきましてまた配布の方法を考えたいと思います。選んだ木につきましては、各自で運搬をお願いしますが、本日の運搬が難しい場合は、あちらの白樺の下に、各自分かるように置いて頂ければと思います」

空はぴかぴかの青空で、風もない。
おだやかな初冬の陽だまりの中で、くじが出来るのを待つ。
ガッテンと私は二人で来ていたけれど、くじは1枚。木は5本。

やがて、くじを手にした役場職員が現れて、運命の1枚をひいたらば、番号札は「10」。
運良く、最初に「入場」が許される15組の中に入れて頂くことができたのだけど…

結論を言ってしまうと、くじの番号はどうでもよかった。
順番どおりに入場したのは、最初の2群ほどであって、その後は、先に入った組の人たちや、先に入った組の友人達を手伝おうとする後の組の人たちや、運搬を諦めて帰ってしまった人たちなどが続出して、どうにも収拾がつかなくなってしまった。

おまけに、残った全員が5本ずつの木を運び出しても、まだ会場には最初とほとんど姿を変えていない雑木の山が残っていたのであって、
「おう、どんどん運んでもいいべや」
と誰ともなく言い出したものだから、もう本数を数えている人もなくなり、運べるだけ運ぼうという方針が暗黙の了解となっていった。

けれど会場の空気が殺伐としていたかというと、決してそんなことはなく、重い木を皆で協力して持ち上げたり、土手を登るのに苦労している人を助けたりして、和やかに、かつ確実に雑木の山は小さくなっていった。

もしここにあるのが雑木の山ではなくてジャガイモの山だったとして、もしここにいるのが「おじさま達」よりも「おばさま達」が多勢を占めていたとするならば、こんな風に穏やかな空気にはならなかったのだろうなぁ…
かつて毎年行っていた「いもほり会場」の、我も我も押すな押すなの戦闘さながらの状況を思い浮かべつつ、その様子を感心しながら眺める私だった。

それにしても、おじさま達の木を見る目は確かだ。
長さが揃えられ、枝も払われた雑木の山から、確実に「いい薪」を選んでいく。
私の手にした木を見ると、
「おぅ、そりゃぁナラだ。最高にいいぞ」
と声をかけてくれたり、
「ここにいいイタヤがあるど。これは炭にしたらナラと同じくらい最高なンだ、持って行ったらいいべや」
と「いい木」を選ぶ手伝いをしてくれたりする。

ちらりと一瞥しただけで樹種を判定できるのは、長年に渡って木と付き合ってきた経験なのだろうけれど、すごいなぁとただただ感心してしまう。
雑木の山には、シラカバ、ドロノキ、アカエゾ、ニレ、ナラ、ハンノキ、カラマツなどさまざまな種類の木があったのだけど、やはり薪として人気があるのは、火持ちがいいナラやニレなどの雑木。反対に人気が無いのは、腐りやすくて火持ちの悪いシラカバや、強い火力で短時間!のカラマツなど。

友人たちの運搬を手伝ったりもしつつ、1時間ほどかかって、ハイエースいっぱいの薪を積み込んだ。
ずいぶん小さくなった雑木の山には、まだカラマツばかりが(笑)たくさん残されていたけれど、私たちは悔いなく会場を後にした。

半日がかりで運んだ薪は、1週間分といったところ。
写真を撮っておこうと思ったのに、私が一緒に行った友人宅へ運搬の手伝いをしに行った1時間ほどの間に、働き者のガッテンの手によって、運んだ薪は全て切られ、割られ、積まれていた。

先日頂いた薪と合わせて、1か月分の薪が集まった。
来冬用の薪は、あと80日分、調達の必要あり。

さなえ
www.wakka.biz/nidomu



2 件のコメント:

  1. こんばんは!
    昨日はお疲れ様でした!私もブログに遊びに来ました。
    昨日のことがまるで録音・録画されていたみたいに鮮明に書かれていてびっくりしました!
    上着もGパンも靴も泥だらけになったけど、何だか楽しいひと時でした。

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  2. こんばんは☆
    ほんと、上着もGパンも泥だらけ。状況をちゃんと考えたらしっかりと戦闘モードの服で行くべきだったのに、Gパンと短靴の私が浅はかだったのでした。けど楽しかったぁ~。薪ストーブの人、すごく多かったですね!それも嬉しい発見でした。

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