なかなか雪がやってこない。
けれど、でっかい低気圧がやってきて、大雨はやって来たのであって。
「嵐の次の日は、漁港に行くといいことがある」
四方から聞こえてくるその「イイコト」を確かめに、この日私たちは車を走らせた。
曰く、
「嵐の次の日にオホーツクの砂浜行ったらよぉ、あれだ、ホタテ。いっぺぇ~落ちてるンだ?」
「海の荒れた日の翌日に、港の斜路んとこで、いっぱいサンマすくったんですよ~」
「冬だったら、砂浜にも落ちてるんだワ、魚」
などなど。
話を聞くたびに妄想はふくらみ、だけどなかなか時化の翌日にうまく出かけることが出来ないでいた。でも、大荒れの翌日のこの日は日曜日。しかもオフシーズン。
「今日でしょ」
「行くしかないっしょ」
いそいそと竿を車に積み込み、出発した。目指すは知床。
し~れとこ~でさっかな~つり~!
途中のホームセンターで、1,980円のタモ網とエサを購入。
海辺の道を快調に進む。
しかし波が高い。大丈夫だろうか…。 不安を感じつつも漁港に下りると、防波堤にぐるりと囲まれた漁港はどこまでも穏やかで、師走とは思えない陽だまりに、先客が何名か。
何を釣っているのかしらと近づくと、皆さん、背丈の倍はあろうかという太くて長いタモ網で、ワカサギほどの小さなチカをすくっているのであった。
しかも、エサは撒き餌。
獲物が何であるかを知らぬままこの地にやってきた我々は、早々にタモ網作戦を断念せざるをえなかった。1,980円のタモ網は、あまりにも短かったし、撒き餌もなかった。
しからば、竿だ。
そうだ、我々には竿がある。
そういうわけで、恐る恐る竿を出してみると、これが面白いほどに釣れるのだった。
糸の先に鈴なりになった疑似餌及びサシ餌に向かって、チカの集団が我先にと群がってくる。その様子をじっと岸壁から見ながら、頃合を見て竿を上げると、1~4匹のチカが釣れるのだ。
しかし何とも悲しいことに、我々の竿についた針はサンマを想定していたため、小さなチカの口には少し大きすぎた。
チカは何度も針先の餌にトライするのだけれど、針が大きくてうまく飲み込めない。さらに、肝心の竿が、釣手3人に対して1本しかない。そのため、チカが集団で群がっていて、なおかつ針もたくさんぶらぶらしているのに、どうも釣果の方は淡々ボチボチなのであった。 けれど、5歳になったばかりのシュウシュウにはそれでも充分過ぎる釣果で、真剣そのものの表情で竿を出したり、魚から針を外したり、しゃかりきに働いていた。
やがて、隣りで魚の大群を次々すくいあげている立派なタモ網のおじさま達から、魚のプレゼントがあり、クーラーボックスの中は一気に賑やかになった。
もうこの辺でよかろう。
夕食には充分過ぎるほどのチカがやってきた。
大満足の我々は帰路についたわけで。
めでたし、めでたし。
「魚がちっちぇ~から、針はずすの大変なんだ?」
さなえ
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2010年12月8日水曜日
漁港にて
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