2013年4月8日月曜日

白いランドセル

町へ出ると、真新しいランドセルを背負ったぴかぴかの1年生がたくさん。
雪どけの水たまりを飛んでよけながら、残雪の間を抜けて登校していく小さな学生たち。春だなあとしみじみ思う。

それにしても、今の子ども達のランドセルのカラフルなこと。
水色、ピンク、緑に青にオレンジに… どのランドセルも、子ども達の背中でとても嬉しそう。
隔世の感がある。

…と言うのは、はるかに遠い昔のことだけど、30年前の入学式で私が背負っていたランドセルが「ベージュ色」だったから。
男の子は黒で、女の子は赤のランドセル、それが当たり前だった私の子ども時代に、両親が買ってきてくれたのは白いランドセルだった。

「どうして白いランドセルなの?」と驚いて聞く私に、「白じゃなくて、これはベージュ色だよ」と言いながら「どうして赤と黒なの?ってみんなに聞いてごらん。決まってないでしょ?」と両親が笑顔だったから、それもそうか…間違える心配も無いしね、と素直に思った私。

だから、入学して早々、周りの子ども達に「白いランドセルだ!!」と言われるたび、
「白じゃなくてベージュ」ときっぱり答え、
「どうしてさなえちゃんのは白いランドセルなの?」と聞かれるたび、
「男の子が黒で女の子が赤じゃなきゃいけないなんて決まってないでしょ?」と答えていた。

でもいつだったかな、一度だけ父に「こんな色のランドセルは恥ずかしいよ…」って言ったことがある。その時に父がどんな顔をしたのか、今となってはもう覚えていないけれど「そうかそうか、それじゃお父さんがマジックで絵を描いてあげよう!ジャングル大帝のレオがいいかな?」と明るく言われ、「それだけはやめて!!」と泣いたっけ…。

小学校3年生の夏、私は津軽から千葉県旭市へと引越した。
転校先の小学校にだって、当然のことながら黒と赤以外のランドセルの子はいなかった。でも転校生だったからか、友人たちは皆、青森の小学校は白いランドセルなんだ~と思っていたよう。

学校帰りに鉄条網をくぐったりしていたから、ランドセルは傷がたくさんついていたけれど、卒業するまで使った思い出のランドセル。きっともう実家にも無いだろうけれど、今でも心の中に大事にしまってある私の白いランドセル。

いろんな色のランドセルがあっていいと思う。自分の好きな色のが一番。
「あなたはこうじゃなくちゃいけない」って、誰かに決められるのは…嫌だよね。
今なら、両親が白いランドセルを買ってきた意味が、分かる。


我が家の子ども達は、緑色のランドセル。
長男が使ったランドセルを、今次男が使っている。次男はこの春から2年生。1年生の印だった鮮やかな蛍光色のカバーがはずれて、ランドセルの色が目立つようになった。
雪どけが嬉しくて、短い靴でぴょんぴょん飛ぶように登校していく。
うんうん、春だね。

さなえ
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2 件のコメント:

  1. こんばんは。
    コメント再チャレンジです。^^
    入学シーズンでしたもんね~。
    さなえさん白いランドセルだったんですね。
    あ、いや、ベージュか。
    さなえさんらしいエピソードだな~と思いながら読み進めました。
    それが今日のさなえさんの原点のように思いましたよ。
    みんなと同じものを持つ安心感もいいけれど、そこから外れることを怖がったり、つついたりって日本人の悪いところでもありますよね。

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    1. TAMOさん、コメント再チャレンジ、ありがとうございます☆
      異質なもの・自分とは違うもの・少数派 を排除しようとする「日本人気質」っていうのは私も好きじゃないです・・・。
      たぶん、そう思うようになったのはランドセルのおかげかも。
      今、子ども達の背中に色とりどりのランドセルが揺れているのを見るのは、とても嬉しいです☆
      町の中にも、一年生のかわいい後姿がたくさんありますね!
      春ですね!

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